書名 | 壬申の乱―天皇誕生の神話と史実― |
著者名 | 遠山美都男 |
出版社・出版年 | 中央公論社(新書)・1996年 |
内容・目次 | まえがき T:近江大津宮、その日 1.天智天皇の立場 2.大海人皇子の立場 3.大友皇子の立場 U:大海人皇子をめぐる群像 1.大海人皇子の誕生 2.大海人皇子の子女と関係氏族(1) 3.大海人皇子の子女と関係氏族(2) V:内乱の発生と展開 1.「何ぞ黙して亡さむや」 2.「すみやかに不破道を塞げ」 3.事にはかにして駕を待たず 4.「朕、遂に天下を得むか」 5.皇子、従いたまはず 6.高市皇子、鹿深より越えて遇へり 7.天照大神を望拝みたまふ 8.「近江の群臣、多なりといふとも」 9.高市皇子、不破より到ります!」 W:内乱の拡大と終焉 1.赤色を以って衣の上に着く 2.蘇我果安、頸を刺して死す 3.悉くに税倉を焚きて、皆散け亡せぬ 4.大津・丹比・両の道より、軍勢多に到る 5.「古京は是れ本の営の処なり。固く守るべし」 6.伏兵有らむことを疑ふ 7.合言葉は「金」 8.「吾こそは事代主神・生霊神なり」 9.「かの白馬に乗れる者を射よ!」 10.近江軍と息長横河に戦ひて破りつ 11.大友皇子及び群臣等、ともに橋の西に営る 12.物部連麻呂、また一、二の舎人のみ従へり 13.「罪無くして何ぞ自ら死なむ」 14.倭京に詣りて、鴨宮に御す 結び―リメンバー・壬申の乱 あとがき |
解説 | 著者の一連の古代史再検討の著作の第2作。これも河内氏の労作の結論の一つである 「王位継承者が同等の者の並立や幼いときには女帝を立てて中継ぎとする」との王位継承 の論理を基礎に、日本書紀を綿密に検討してのもの。天智死後、皇統をつぐ者として大友・ 大海人の2皇子が対立。天智の后である倭姫王を一時的な女帝としたが、次の天皇候補は 実力で皇位を勝ち取るほかはなく、ここに起きたのが皇位継承戦争としての壬申の乱である ことろ論証した。内乱の発生から終焉までの日本書紀の描写は生き生きとしたものである事 を改めて痛感させられる書。 |
値段 | 840円 |