パンドラの箱は開かれた!関連書籍集
書名 「未開」概念の再検討T・U
著者名 川田順造編
出版社・出版年 リブロポート・1989・1991
目次・内容構成 《T》

はじめに(川田順造)
報告1 なぜ「未開」概念を問題にするのか(川田順造)
報告2 未開のフォークロア(野村雅一)
コメント ・異人と語り(坂部恵) ・人間観の形成と異人の存在(小松和彦)
ディスカッション 未開概念の諸相
報告3 外なる未開と内なる未開(阿部謹也)
コメント ・さざなみとしての文化、うねりとしての文明(船曳建夫)
ディスカッション 畏怖と差別
報告4 なぜ民族音楽学か(徳丸吉彦)
ディスカッション ヨーロッパの未開概念
報告5 異界としての海と山(田村善次郎)
コメント ・他界と異界、祖霊と神々(住谷一彦)
報告6 都市空間の中の異界ーイタリアと日本の比較を中心に(陣内秀信)
コメント ・イスラム都市との関連で(堀内勝)
ディスカッション 異界の諸相
おわりに(川田順造)

《U》

レジュメ 先史学から見た未開と文明
資料a インカ帝国 b 新大陸の文明
報告7 先史学から見た未開と文明(大貫良夫)
コメント ・文明の尺度とめぐって(大林太良)・文化と文明についての再定義(伊東俊太郎)・古代における未開(古橋信孝)
      ・相対と普遍の間(石井溥)
ディスカッション 文化と社会
報告8 民族学における通文化的(統計的)研究から見た未開と文明(大林太良)
コメント ・社会、文化の指標をどこに置くか(二宮宏之)・民族音楽における統計的手法(徳丸吉彦)
      ・「原始」と「未開」(松薗萬亀雄)
ディスカッション 文明の民族・未開の民族
報告9 歴史学・民俗学・民族学(塚本学)
コメント ・ヨーロッパ史研究の立場から(二宮宏之)・インド史研究の立場から(小西正捷)・民俗学の立場から(野村純一)
      
・歴史の基礎知識とは何か(永田雄三)
ディスカッション 歴史学・民俗学・民族学
報告10 推進機構と制御機構―社会進歩の機械論的モデル―(上田篤)
コメント ・家族の進歩と国家の進歩(坂部恵)・ギリシアの神話と都市の関係(阿部年晴)
ディスカッション 進歩史観と家族制度
報告11 日本社会における未開と文明(網野善彦)
コメント ・近代化日本における未開の問題(安丸良夫)・ヨーロッパ社会における未開と文明(二宮宏之)
     ・網野説へのいくつかの疑問(関本照夫)
ディスカッション 未開なるものと日本的なるもの
おわりに(川田順造)

説明 東京外語大アジア・アフリカ言語文化研究所の共同研究プロジェクトとして1986年から1989年の間に行われた「未開概念の再検討」研究会の第1回から8回までの記録。歴史学・民俗学・民族学などの様々な分野の研究者があつまり、未開概念の再検討を行うとともにその対概念である「文明」の概念の再検討をも行ったもの。討論テーマは多岐にわたっているが討論の中での重要な確認事項の一つとして「未開」「文明」の概念はヨーロッパ中心史観によってつくられていること。そしてそのヨーロッパ中心史観を再検討すべきことがあげられている。これは現代文明を批判的に再検討するときの不可欠な視点を提供するものであり、示唆に富む討論である。
 なおその後の89年90年における4回の研究会の記録が第V巻として刊行予定であるがいまだ未刊である。
値段 T(2800円)・U(3500円)

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