書名 | 平将門の乱 |
著者名 | 福田豊彦 |
出版社名・出版年 | 岩波書店(新書)・1981年 |
内容・目次 | まえがき はじめに 1.群党蜂起 1 王孫将門 2 関東の情勢 3 史書と物語の間 2.関東の鉄と馬 1 製鉄遺跡を掘る 2 牧を訪ねて 3 官牧司 平将門 3.「つわもの」とその従者たち 1 従類と伴類 2 領主の館 3 「つわもの」の群像 4.将門の反乱 1 一族の内紛 2 武蔵国の紛争 3 新皇将門 5.東西の兵乱 1 西海の反乱 2 政府の反乱対策 3 反逆者の最後 4 武士の時代へ 6.伝承の世界 1 将門の後裔 2 伝説の誕生 おわりに |
解説 | 中世の幕開けとも言える「平将門の乱」について平易に述べた書である。事件の詳しい推移が述べられてはいるが、事件の性格については従来の教科書的な「新興勢力武士の登場」を1歩も出るものではない(この点については前述の「平安王朝」を参照のこと)。 本書の特徴は、将門の根拠地とされる茨城県の石井地方に属する「茨城県八千代町尾崎前山」の製鉄遺跡の発掘成果とこの遺跡が存在する地域にあった官牧「大結牧」の復原に基づき、将門の力の基盤が「官牧の司」としての地位による大量の軍馬と武器の動員とにあり、この力を背景に多くの自営農民層(伴類)をひきつけた事にあったことを具体的に示し、「兵」と呼ばれた「武士」層の実態を明らかにした事にある。 |
値段 | 380円 |