書名 | 日本中世に何が起きたかー都市と宗教と「資本主義」 |
著者名 | 網野善彦 |
出版社・出版年 | 日本エディタースクール出版部:1997年刊 |
内容・目次 | ○序にかえて ・絵師の心ー一遍と「乞食非人」 ○T 境界 ・境界に生きる人々ー聖別から賎視へ ・中世の商業と金融ー「資本主義」の源流 ・【補論】市の思想(対談者:廣末 保) ○U 聖と賎 ・中世における聖と賎の関係について ・中世における悪の意味について ○V 音と声 ・中世の音の世界ー鐘・太鼓・音声 ○W 宗教者 ・一遍聖絵ー過渡期の様相 ○あとがきにかえて ・宗教と経済活動の関係 |
解説 | 本書は、著者がさまざまな雑誌類や叢書に書いた論文の中から、中世における宗教と商業との関わりに関するものを集めたもの。 定説では、日本における商品経済の一般化は室町時代とされているが、著者は、それはすでに鎌倉時代において一般化していたのではないかと述べる(可能性としては平安時代にさかのぼるとも述べている)。そしてその商業の主な担い手が、後に賎民として賎視される人々であったことと、当時はまだ賎視が始まったばかりで、彼らはむしろ、神に仕える聖なるものとして怖れられ、神にささげられた品物が、個人の所有物という属性を離れて一般化し、それゆえ商品たりえたのだということを論じている。 |
値段 | 699円 |