OPEN・ザ・文化祭

ー地域との交流をもとめてー

 

○○中学校では,昨年から従来の文化祭の取組を改め,新しい形式の文化祭を始めました。このレポートでは,この新しい形式の文化祭の内容

と,これが生み出された経過を,報告したいと思います。 (なお,本校の文化祭は,校内弁論大会・合唱コンクール・教室,体育館,校庭発表の部・

文化鑑賞会の4つの行事から成っていますが,ここで報告する文化祭は,教室・体育館・校庭発表の部をさしています。)        

1.今年の文化祭について。         

<期日> 教室・体育館・校庭発表の部 ………10月26日(土)午後           
                                 27日(日)全日    
<ねらい>1) 日常の学習,文化活動の成果を発表する場とする。   
       2) 自主的,計画的な活動を助成するとともに,互いに協力して責任を果たす態度を養う。            
       3) 高度な文化に積極的に触れ,正しく鑑賞する態度を養う。     
       4) 地域の人々や,地域文化とのふれあいを求める。        
<文化祭テーマ>                            
       「受けとめよう,人の心を愛の手で。」       

<文化祭の特色>                   

 本校の文化祭の特色はいくつもあると思いますが,以下,順に説明したいと思います。                           
 
 1)テーマにそった内容であること。
 
今年のテーマは,生徒会運営委員会の「福祉」を中心にやりたいとの意向を受けて,生徒達から募集した結果,「受けとめよう,人の心を愛の手 で」
と決定しました。そしてこのテーマを実行に移すために,次のような取組を準備しました。
                           
○実行委員会として……古本を中心としたチャリティーバザー。
    
               点字の案内板の作成。 
           
               点字で文章を作れるコーナー。
 

○広報委員会として……点字新聞の作成。


○JRC委員会として…車いすの体験コーナー。
 
 2)地域の人々との交流。
 
「ねらい」の4)にあるように,地域の人々との交流を深め,地域の文化とのふれあいを求める方向で,次のような取組が準備されました。またこれ
 
は,テーマを具体化する作業の一つでもあります。          
 
○校庭発表の部(野外部)として。
 
  a)伝承コーナー……生徒たちが,地域のお年よりやお母さん方に,昔ながらの遊びを教えてもらうコーナーとして。
 
   縄つくり・わらじ作り・弓矢作り・凧作り・紙細工・お手玉・竹細工──竹とんぼ・水鉄砲・紙鉄砲──など。
 
     ※実行委員の生徒達が,一般生徒達に教えられるように,事前に地域のお年寄りやお母さん方に教えてもらう場面も設定した。
 
  b)ゲートボール教室…地域のお年寄りに教えてもらい,一緒にゲームを楽しむ。

  c)野外舞台……郷土芸能として,○○地区の祭囃子の方々に出演してもらう。

 
○体育館発表の部として。地域の小学校・高校の吹奏楽団に出演してもらう。(○○小・○○○小・○○高校)
 
○教室発表の部として。同窓会コーナーに,地域の小学校の生徒達の,絵や書の作品を展示する(○○小・○○○小・○○○小)
 
 3)生徒の自主性を生かす取組
 
生徒の自主的な活動を助長し,互いに協力して責任を果たす態度を養うために,次のようなことを行っています。                
 
○実行委員の構成……各学級1名以上として,この行事の裏方を担う意志のある生徒が大勢参加できるようにした。

              ※実行委員総数108人。(1年24人。2年45人。3年39人。)その他,必要に応じてボランティアを募集している。
 
○制限の少ない見学時間
              従来,学年別に,体育館と教室の見学時間を定め,体育館発表は日曜日の午前と午後との2回,同じ内容のものを

              やっていた。これを改め,文化祭を土日の1日半とし,土曜の午後1:10〜3:00と日曜の午前9:00〜午後3:00の間の生徒

              の見学時間内においては,教室・体育館・校庭のどこにいても自由とした。
 
○交友祭の実施……27日(日)の午後3:30〜4:30の時間帯に,校庭において火を囲みながら,ゲームをしたりフォークダンスを楽しむ。

              ※<目的>「文化祭で盛り上げた雰囲気で交友祭を行い,生徒達の交流を通し,友情を高め,文化祭を良き思い出として,
               これからの学校行事の成功の為,“和”を広げる。」
 
○参加範囲・・・・  文化祭の発表の部は,クラブ・部活動・委員会・学級の発表の場であり,地域の文化の発表の場であるが,個人でグループを

            くんで参加することも認められている。(文化関係企画委員会〔職員〕が,文化祭に相応しいと認めたものに限るが。)
 
以上の諸点が,本校の文化祭の特色だと思われます。(内容については,末尾の参加団体一覧表を参照のこと。)
 
2.以前の文化祭。(前史)
 
以前の文化祭は,次のような形態のものでした。
 
<期日> 10月末の土曜日 …… 午前(会場設営・大掃除)                     
                      午後(展示準備・舞台リハーサル)       
         翌日の日曜日 …… 体育館・教室発表。          
<ねらい>今年のものとほぼ同じ。ただし4)の地域との交流がない。     
<実行委員会の構成>各学級各2名を選出する。これに生徒会運営委員会が加わる。   
<見学時間>体育館発表の部   午前  1・2年生。
                      午後  3年生・保護者<参加範囲>                             
         クラブ・部活動・委員会・学級の発表の場とし,個人・グループの参 加は認めない。                         
<テーマ・交友祭> なし。                    

このような内容の文化祭がずっと続けられてきたわけですが,この10数年の間に,少しづつ変化が現れてきました。それは,次のようなもの

でした。

1)PTAの参加。

47年度(第10回文化祭)からは,PTA主催のバザーとPTA食堂が,文化祭と平行して実施されるようになり,50年度(第13回)からは,同じ

くPTAの喫茶室や餅搗きも行われるようになりました。

2)テーマの設定。

また,55年度の第18回文化祭からは,生徒会の発案で,文化祭のテーマが設けられ,それに沿った内容のものにして行こうということになり

ました。そして,出来上がったテーマに沿って,シンボルマークも作られるようになりました。

55年度(18回)……「飛翔」
56年度(19回)……「出現────未知の力────」
57年度(20回)……「飛龍───未知への挑戦───」
58年度(21回)……「雷鳴───情熱の爆発───」

以上が一昨年までの文化祭テーマですが,一見して分かるように,極めて抽象的なもので,これに沿った内容にといっても,難しいものでし

た。

3)生徒の自主性を生かす取組。

しかし,こうした中で,56年度の第19回文化祭からは,文化関係の行事の企画を担当する「文化関係企画委員会」の職員の提案により,いく

つかの生徒の自主性をさらに生かす取組が開始されました。

a)交友祭の開始(56年度・第19回)

    生徒会運営委員会と文化祭実行委員会の生徒達から,文化祭の前後に,前夜祭と後夜祭をやりたいとの提案が出されてきました。しかし,
 
   「互いの友情を高めあおう」という趣旨には異論はないが,夜やることには問題があるとの意見が職員の間から出され,文化祭の後,まだ明る
 
   いうちなら良いということになって,「交友祭」が生まれました。             
 
    b)参加範囲の改正(57年度・第20回)             
 
    生徒の間から,自由参加という声もあったので,オーディションを受けるという条件で,個人・グループの参加を認めました。この結果,実行委
 
    員はいくつものグループに分かれて,舞台裏の運営や,教室展示の世話をするようになり,交友祭で学年を越えて,フォークダンスの輪がで
 
    きるという状態になりました。また,個人参加や委員会・クラブの参加も増え,多くの保護者や地域の人々が,文化祭を見に訪れるようにもな
 
    って来ました。しかし,少しづつ生徒の参加が増え,またクラブや部活動の参加が増えて来るにしたがって,特に体育館発表の部は,1日2回
 
    の公演ということでは時間が足りないという事態が生じ,見学時間をOPENにして,公演時間を確保しようという声が,だんだん出てきました。
 
3.OPENTHE文化祭。
 
 以上のようにして,少しづつ文化祭は変わってきたわけですが,大きな変化が訪れたのは,59年度になってのことでした。それは,次のような,生
 
徒とPTAからの問題提起が切っ掛けとなって起きたものでした。
 
    1)「OPENTHE文化祭」────生徒の問題提起────
 
 59年6月の生徒会役員選挙は,従来にない盛り上がりを見せました。それは,3年生の4名の生徒が,統一された公約とスローガンを持って,副
 
会長・書記・会計に立候補して来たからです。「OPENTHE文化祭」。これが彼等の統一スローガンです。彼等はこのスローガンのもとに,「見学時
 
間に制限のない,もっと自由な楽しい文化祭を作ろう!」と,全校生徒に呼び掛けたわけです。各クラスを毎朝まわって公約を説明したり,登校する
 
生徒に校門の所で呼び掛けたりするうちに,生徒達の間の反響が大きかったのでしょう。もう一方の候補者グループ(当時の生徒会運営委員会メン
 
バー)も,公約の中に,「文化祭の内容・持ち方の改正」を入れるようになりました。選挙の結果は,最初に文化祭の問題を提起したグループの1名
 
が落選したのですが,このようにして,文化祭の内容や持ち方を改正するということは,生徒会運営委員会の政策として,生徒の間に公認されたわ
 
けです。「OPENTHE文化祭」。この方向に向かって,生徒会は動き始めました。
 
   2)「○○フェスティバル」────PTAの提案────
 
  59年7月のPTA運営委員会において,PTA会長から,PTAバザー・文化祭についての次のような趣旨の提案がなされました。
       「○○○フェスティバル」   ふれあいバザー    

1.地域及びその文化とのふれあいを求めると共に,ゆとりある一日の中 で楽しく豊かな学校を創造するきっかけとする。          
2.地域に学校を開くことにより,学校理解を深めると共に,地域の学校 として,その存在を確立するきっかけとする。           
3.親と子が力を合わせて行事を組み立てることにより,人のふれあいと 相互理解を深めるきっかけとする。                 

<主催> ○○市立○○中学校・同PTA              
<内容> 地域の祭的なものとして,日曜日に一日実施する。    

この提案を受けて,PTA運営委員会では,次のような結論となり,職員会議に提案していくこととなった。

<趣旨>会長の提案と同じ。                    
<持ち方>  10月27日(土) 例年通り文化祭。              
         10月28日(日) バザー,地区の文化交流も含めて,職員との間に小委員会を設けて具体案を検討する。  
<内容に関する意見>                     
         ○秋の青空の下で,のびのびと気楽な気持ちで親子でゆっくり楽しめる方向を考えよう。                       
         ○地区にある文化を,生徒に見てもらう。(おはやし・おどりなど)
         ○近くの学校との文化交流もありうる。(小・高)     
         ○老人から何かを学ぶことができないか(高齢者コーナー)。  
         ○地域ぐるみのお祭として,一日を山の上でゆっくり過ごすのも良い。
         ○第一日目の文化祭はしっかりマナーを守り,第二日目は,のんびりやらせても良い。                        
         ○全生徒・全保護者一体となってやってみよう。
    など…     

3)職員・PTAの討論。

以上のようなPTA運営委員会からの提案をうけて,職員会議が開かれたわけですが,ここでの結論は以下のようになりました。

1.地域との交流・協力ということ・地域文化にふれさせるということは賛成。                            
2.しかし,PTAの提案では,生徒主体の行事としての文化祭が軽視されており,この点で賛成できない。               
3.文化祭のあり方をかえて,その中で地域社会との文化的・人的交流や親子のふれあいを図ることは,充分可能である。         
4.その際,生徒主体の行事であることを踏まえて,バザーのあり方を考えてほしい。                         
5.具体的なことは,小委員会を設けて,ここでPTAとの調整をはかることとする。                         

そして,続いて行われた合同文化祭小委員会では,討論の結果次のような結論に達しました。

「PTA運営委員会の結論をそのまま実行することは,職員会議の結論からして不可能であるが,文化祭の中での地域交流・地域文化とのふ

れあい・親子のふれあいは賛同をえているので,文化祭の中で実施することとする。この際,教室・校庭等の一部を利用させてもらいたいし,

また体育館発表にも参加させてほしい。」

このようにして,59年度・第22回文化祭から,ねらいの一つとして「地域の人々や,地域文化とのふれあいを求める」という項目が入ってきた

わけです。

4)生徒会・実行委員会の取組。

こうした職員・PTAの討論を受けて,生徒会運営委員会と文化関係企画委員会は,第22回文化祭の企画に入りました。そして,生徒会の提

案・PTAからの提案・職員の意見をどれも取り入れる形で,文化祭は実施されました。

<22回文化祭の内容>

a)期日教室・体育館・校庭発表の部───10月27日(土)午後10月28日(日)

b)テーマ「みつめよう。広がる心のふれあいを!」

c)新しい取組。

 1)実行委員会の構成の改正。実行委員を各学級1名以上として,多くの生徒の自主的参加を促した。(実行委員───130人)

 2)野外部の新設。地域交流の場として設け,伝承コーナー(輪投げ・わら細工・竹細工・竹馬・メンコ・こま回し)・ゲートボール教室が,

            PTAの協力で実施され,さらに,野外舞台には,○○○小学校・○○小学校ブラスバンドや地域芸能として「○○○はや

            し」の出演も依頼した。

〔写真@ わら細工をする生徒たち〕

 

〔写真A ゲートボールを楽しむ生徒たち〕

 3)テーマにそった取組。生徒会主催で,アフリカ難民救援のチャリティーバザーが,当日野外部のコーナーで実施された。

〔写真B 生徒会主催、アフリカ難民救済チャリティーバザー〕

 4)見学時間の学年制を廃止。1日の最初と最後の集合時間帯を除いて,生徒達はどのコーナーの見学をしていても自由とした。

こうして,第22回文化祭は「OPENTHE文化祭」の掛け声のもとに,新しい形で行われたわけです。

 〔写真C 野外で踊るバトン部〕

〔写真D リコーダークラブの演奏〕

 〔写真E 戦争を考える『もし柿生中に原爆が落ちたら』〕

 〔写真F 考古学研究部『昔の服装』〕

〔写真G 鉄道模型を走らせる時刻表クラブ〕

〔写真H 紙粘土、生徒作品〕

〔写真I 交友祭で火を囲みフォークダンスを踊る生徒たち〕

4.取組の背景。

以上のようにして,新しい文化祭が始まったわけですが,このような取組ができたのは,生徒・職員・PTAそれぞれの考えてきたことが,

「OPENTHE文化祭」のスローガンのもとに合流できたからだと思います。それぞれの考えていたことは,少しづつ違いがあります。

<生徒の考えていたこと>

 ○高校の文化祭のように,お祭り的な楽しいものにしたい。
 ○参加範囲・見学時間などをもっと自由なものにしたい。
 ○出し物も,もっと自由な楽しいものにしたい。

<職員の考えていたこと>

 ○もっと内容の深い文化祭にしたい。
 ○参加範囲・見学時間などをもっと自由なものにしたい。

<PTAの考えていたこと>

 ○地域の祭り的なものにしたい。
 ○親も子も共に楽しめる,もっと自由な楽しいものにしたい。

 三者の考えていたことは,だいたい以上のようなものではないでしょうか。内容も意図していたことも違っていると思います。しかし,「もっと良

い文化祭にしたい。より皆が参加出来るものにしたい。」という点については,共通したものがあったと思います。ここをベースにして話し合い,

つくりあげた結果が,現在の文化祭だと思います。

 そして,ここまで来ることが出来たのは,文化祭に限られない様々な分野での三者の共同作業の積み重ねがあったからだと思います。職員

と生徒との間では,様々な行事を実施する際の,きまりから実施内容にいたる様々な点についての実行委員会における討論の積み重ね,全

校行事だけではなく学年単位においてもそれがなされてきたことが,当たり前のようなことですが,大切なことであったと思います。そして諸行

事においては,職員も生徒と一緒になって参加し楽しむ姿勢を保ってきたことも,共同作業の一環として大きな役割を果たしてきたと思いま

す。(文化祭においても,職員有志によるバンド演奏などもあります。)

 またPTAとの間では,PTAの成人教育・福祉厚生活動の場において,家庭教育学級の開催や,様々な子供の成長を助けるのに役立つ内

容の講演会の開催,PTAコーラスの指導やママさんバレーの指導,そしてこの3年間続けてきた夜の地区懇談会における,学校の現状や生

徒の状況についての意見交換など,多くの場面での共同作業がありました。

 このような,○○中学校をみんなでより良くしていこうという取組の一環として,「OPENTHE文化祭」の取組もあるのだと思います。

5.今後の課題。

今年の文化祭は,昨年の文化祭の反省に基づき,

  1)より,テーマに沿った内容のものにしたい。          
  2)身近な問題に目を向けるきっかけとしたい。           
  3)見る文化祭から,参加する文化祭へと充実させていきたい。    

   という観点から,実行委員会のもとに,取り組まれています。しかし,この観点を実行する上で難しい点は,教室における展示において,参加す

  る文化祭という事を実現することです。教室における展示は,文化クラブ・部活動を中心としています。

   しかし,クラブ活動の中において内容の濃いものを準備するには,活動時間の確保や職員のより一層の研究・準備活動が必要なため,おおく

  の困難な問題をかかえています。

   いくつもの文化クラブが,準備体制が整わないために参加を諦めているのが現状です。参加したクラブでも,掲示物を作るのが精一杯というと

  ころがいくつもあります。この状態では,見学者を引き込むような展示はなかなか作れません。クラブ・部活動主体をやめて,学級参加にしてはと

  いう意見もあるのですが,捨てるには一寸おしい内容のものもあるのでどうしたものかと思っています。

   この教室展示の充実ということが,第一の課題だと思います。来年度はここについて考えていかなければならないと思っています。

資料1  第23回文化祭参加団体

教  室  発  表       体 育 館 発 表 野外 発表 
〔クラブ〕 ・郷土史研究
      ・フェルト手芸
      ・将棋 
      ・生花    
      ・BOOK製作  
      ・社会科   
      ・紙粘土     
      ・時刻表   
      ・JRC     
      ・習字    
      ・手芸      
      ・マンガ   
      ・木彫      
      ・切り絵   
〔クラブ〕    ・楽器アンサンブル
         ・郷土芸能    
         ・バトン     
〔クラブ〕 ・郷土芸能 
      ・バトン  
〔部活動〕・吹奏楽     
      ・考古学   
      ・美術      
      ・科学  
      ・文芸             
〔部活動〕    ・吹奏楽     
          ・演劇  
          ・合唱      
〔部活動〕 ・吹奏楽  
〔委員会・その他〕  
      ・保健委員会 
      ・放送委員会
      ・美術科 
      ・技術家庭科
      ・同窓会 
      ・11組    
      ・職員有志(写真)
      ・1学年
      ・生徒有志           
〔委員会・その他〕
         ・合唱コンクールの最優秀,金賞クラス 
         ・弁論各学年1位 
         ・職員有志 
         ・生徒有志    
〔委員会等〕・生徒会 
       ・生徒有志 
〔PTA〕      
  ・PTA食堂
  ・バザー 
  ・学区内3小学校児童の絵
  ・習字作品(○○・○○○・○○○)  
〔PTA〕 
  ・お囃子
  ・吹奏楽(○○小・○○○生小・○○高)  
〔PTA〕 ・お囃子  
     ・伝承コーナ ー    
     ・ゲートボー ル教室  
     ・販売   

資料2 生徒の作文(卒業生──昨年の生徒会役員──)

「高校での文化祭を経験して」

                            斉藤真紀

 高校へ入学し,初めての文化祭を経験しました。その文化祭が終わり,今感じていることは,確かにとても楽しい文化祭でしたが,文化祭という名

の下でのお祭り騒ぎを楽しんだことに過ぎなかったのではないかという事です。

 それが高校の文化祭なのだといえばそれまでかもしれませんが,中学校での文化祭を思えば,高校の文化祭はもの足りません。やはり,中学校

で生徒会の一員として改革を目指した「オープン・ザ・文化祭」は,私の心の中でいつまでも強く印象づけられているのでしょうか。

 「みつめよう広がる心のふれあいを」。これが,「オープン・ザ・文化祭」でのテーマでした。私たちは生徒一人一人の心から,先生方へ,そして地域

の方々へと心のふれあいが広がってゆくのを願いました。

 そして,生徒会の行事の中の一つとして,楽しむだけのお祭りではなく,あくまでも文化祭として,誰でもがたとえたった一つでもいいから,何か新し

く素晴らしいことを文化祭を通して得てほしいと思いました。

 私自身も,数多くのことを学びました。

 そのうちの一つが,「自由」というものの難しさです。ただ単に,好き勝手にできる文化祭が自由な文化祭ではありません。守るべき規律と秩序は

必ず守り,その上で初めて自由が成り立つのだということを知りました。

 文化祭に対しての考え方は,中学校と高校では,根本的に違うように思います。それならば中学時代は,中学でしかできない,高校では高校でし

かできない,それぞれの文化祭を楽しむべきだと思いました。そして,わが母校の○○中には,他の学校には惑わされず,○○中の色を持った文

化祭を造りあげてほしいと思います。

 中学生の頃は,誰もが高校生の自由な文化祭を羨望し,自分たちの文化祭を自由でないもの,楽しくないものと決めつけてしまいがちです。けれ

どそれは間違いだという事に気付いてほしいのです。欠点をできるだけ良い方に改善し,長所はさらに良くなるようにアイデアをしぼり出して,いつま

でも心に深く残る文化祭にしてほしいものです。

 私自身の個人的な感想としては,一週間程前の高校での文化祭より,一年前の中学校での「オープン・ザ・文化祭」の方がはるかに強く心の中に

印象づけられています。文化祭で一番大事な事は,人の流れに流されて文化祭を迎えるのではなく,一人一人が何らかの形で文化祭に携わり,参

加することなのではないでしょうか…。

 


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