〔MOMA展〕 1993.3.19
ニューヨーク近代美術館の主な収蔵作品、約60点による、日本初公開の展覧会である。前評判が高いせいか、日曜日では、入館が難しいので、金曜日の午後に行ってみた。
今回公開された作品は、19〜20世紀の前衛的作品ばかりである。日本初公開のものばかりなので、平日といっても、会場は人の波であった。
ルソー、ゴッホ、ピカソなど、この時期の前衛的画家たちの代表作品が並んでいる。一点一点は、素晴らしい作品ばかりである。しかし、1時間あまりで一通り見たあとの感想は、何か物足りない感じがした。
もう一度、始めの所に戻って、比較的気に入った作品を中心に見てみたのだが、やはり同じ感じがするのである。なぜだろうか。
あとで、ふと思ったことがある。
それは、いつも見慣れている美術展は、企画展であって、1時代、1作家に限った、テーマを持った展示であり、今日見たものは、ニューヨーク近代美術館の常設展示、しかもそのエッセンスであったということだ。
あの物足りない感じは、もっと一人の作家の作品をたくさんじっくり見たいという欲求であったのだろう。