〔弥生文化の謎とロマン 銅鐸の美展〕96.3.20


 様々な文様をもった銅鐸を展示し、その文様のもつ意味などを探った展示。

 興味をひかれた事実が一つ。それは、銅鐸によっても、九州ー関東が一体の地方であり、近畿地方はこれとは別の文化ー政治の地域であることが明白なこと。

@九州だけでなく、関東にも小銅鐸があるということ。どちらも、朝鮮式銅鐸と同じ形であり、吊るして鳴らしたものとある。間の中国ー四国ー近畿ー東海の地方の銅鐸は、これとは違ってより大型であり、用途も神を祭る祭器ではないかと思われ、両者の政治的違いを際立たせている。

A九州式銅鐸というものがある。紀元前1世紀のもので、形は近畿式だが、文様がこれとは異なり、魔よけの避邪の眼の文様である。しかもこの銅鐸の鋳型は北九州であり、製品が中国四国地方からしか発見されないという事実は何を意味するのだろうか。

Bそれにしても銅鐸の絵は、とても生き生きとした大胆な筆遣いで、すばらしい写生画である点もおもしろい。


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