〔20世紀美術の挑戦ールートヴィヒ美術館展〕95.8.29
ドイツのケルン市にある現代美術の専門美術館であるルートヴィヒ美術館の所蔵作品の中から78点を選び、20世紀美術の流れを外観しようという企画展。五つのセクションに分かれている。
○第一セクション
ここは、ピカソとパリの画家たち。20世紀初頭の画家たちの作品。
○第二セクション
ここは「ドイツ表現主義とバウハウス」と題し、ドイツ表現主義の三つの流れを代表する画家たちの作品がならぶ。
○第三セクション
ここは「ロシア・アバンギャルド」。革命直前のロシアの前衛芸術の数々。
○第四セクション
ポップ・アートとアメリカ絵画。60年代以後のアメリカの作品が並ぶ。
○第五セクション
ドイツの戦後の作品が並ぶ。
見終わっての感想。
20世紀美術の流れという企画はもう古いと思う。しかも、この程度の作品の数では、充分にそれすらつかめない。作家数が多いわりに作品の数が少ないため、流れを見るには物足りないし、個々の作家の作品を見るにも数が少ない。全体を見るより、個々の作家の作品を深く見ていった方が意義があると思う。
中で一つだけ印象に残った作品があった。
○カンディンスキー「白の描線」
色彩がとても透明。油絵とは思えない。白い中心部の線がまるで生きているようで、幻想的な作品である。
表現主義の作品は、なぜにこうも色が毒々しいのだろうか。魂が煮えたぎっているかのよう。美しさも救いもない。ただ不安なだけ。カンディンスキーの初期の作品は色彩が透明で美しい。未来に希望を持っていたせいか?